プログラム
日本獣医麻酔外科学会
大会長挨拶
2021年度 第102回 日本獣医麻酔外科学会 オンライン学術集会の開催にあたって
盛夏の候、皆様方にはますます御健勝のこととお慶び申し上げます。このたび、日本獣医麻酔外科学会のオンライン学術集会を開催するにあたり、ご挨拶とご案内を申し上げます。
昨年から続きます新型コロナウイルス感染は一向に収束する気配を見せない中、本学会においても対面での学会開催を模索いたしましたが、未だワクチン接種も十分ではなく、参加者全員の健康のことを考え、第102回学術集会も残念ながらオンライン開催の運びとなりました。思えば、第100回の記念すべき学術集会は2020年春季に開催する予定でプログラム等も公開されましたが、開催するに至らず、キャンセルとなってしまいました。また、前回の第101回学術集会はオンラインにて開催にするに至りました。この学術集会は、本学会初めての完全オンライン学術集会であり、多くの参加者を集めて成功裏に終会することができました。
学術集会のオンライン化につきましては様々なご意見があることは承知しております。実際に、日中だけでなく夜の学術集会も大事であり、貴重な情報交換の場であることは否めません。しかし、オンラインにはオンラインの良さがあり、現地に行かずともご自宅で学術集会に参加することができ、しかも従来の対面式ではその時間帯に1つの講義しか聞けなかったものが、オンラインではすべてを視聴して勉強することができます。これは非常に大きなメリットであり、整形外科、軟部組織外科、麻酔・疼痛管理のそれぞれの分野のシンポジウムやパネルディスカッションもライブで実施しますが、それぞれ異なる日程に設定致しましたので、すべての分野を網羅することができます。その上、今回は見逃し配信として合計約1カ月間の視聴可能期間を設け、教育講演やリフレッシャーコース、シンポジウムやパネルディスカッションの各講師の講演などを視聴することができるようにしました。
今回は、各分野で基調講演を設定し、整形外科分野では北里大学医学部名誉教授であり、イグノーベル賞受賞者の馬渕清資先生をお招きして「ヒトはなぜ、バナナの皮で滑って転ぶのか?」という魅力的なタイトルでご講演いただき、そこから関節の構造や機能についてご解説いただきます。また、軟部組織外科分野ではニューヨークのアニマルメディカルセンターの外科医であり、世界的にも著名なチックワイス先生をお招きして「Update on interventional techniques in veterinary surgery」と題して、現在でも進歩を続ける獣医におけるインターベンショナルラジオロジーの分野についてご解説いただきます。さらに、麻酔疼痛管理分野ではアメリカ在住の集中治療・呼吸器内科医である田中竜馬先生をお招きし、「重症肺炎に対する人工呼吸適応と治療戦略」という内容でご講演いただき、まさに今社会問題となっている肺炎についてご解説いただきます。いずれも興味深い内容で、きっと視聴者の皆様は満足されるのではないかと期待できます。また、各分野においても教育講演、リフレッシャーコース、シンポジウム、パネルディスカッションと充実したラインナップを揃えており、今まさに視聴者が知りたい内容がピックアップされていて、明日から臨床に役立つ内容となっております。さらに、今回は会期前日に開会式も企画しており、そこで本学術集会の魅力を余すことなくお伝えできるものと考えております。
今回は日本大学が中心となって開催準備委員会を立ち上げて準備を進めて参りました。整形外科分野は枝村一弥先生、北川勝人先生、伊藤大介先生、軟部組織外科分野は私の他に関真美子先生、石垣久美子先生、そして麻酔疼痛管理分野では山谷吉樹先生、手島健次先生、さらに技術的なサポートとして櫻井尚輝先生にお集まりいただきました。また、学術担当として日本獣医生命科学大学の原康先生、大阪府立大学の秋吉秀保先生、広報担当として東京大学の中川貴之先生にもご参画いただきました。そして何より学会事務局である(株)タスプ様も本学術集会事務局を担っていただきました。以上の開催準備委員会メンバーで前回の経験を生かしつつ、より充実した学術集会になるように尽力いただきました。開催準備委員会の委員の先生全員に深く感謝申し上げます。さらに、本学術集会にご講演いただいた先生方や座長の先生方などすべての方々がオンライン化に伴う作業に快く協力をいただきました。本学術集会の開催には多くの先生方のご理解とご尽力の上に成り立っているものと思い、改めて感謝の意を表します。このように、本会が参加者および会員の皆様で作るアットホームで親しみやすい学術集会になるのではないかと期待しております。
最後に、本学術集会を開催するにあたり、多数の学会関係者をはじめ、協賛をいただきました企業の方々にも厚く御礼を申し上げます。また、今回のオンライン学術集会が会員の皆様にとって有意義なものとなりますことを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。
第102回日本獣医麻酔外科学会 大会長 浅野和之
整形外科
基調講演
教育講演
リフレッシャーコース
シンポジウム
脳神経外科術中支援 座長:北川勝人(日本大学)、松永 悟(日本動物高度医療センター)
「脳神経外科術中支援レビュー」北川勝人(日本大学)
「脳外科手術における、術中MRIの実際」井尻篤木(アツキ動物医療センター)
「脳神経外科術中支援 -術中染色法-」中野有希子(岐阜大学)
「脳外科手術におけるナビゲーションシステムと術中エコー」伊藤大介(日本大学)
座談会 8月22日(日)9:00〜12:00 ライブ配信
パネルディスカッション
小型犬の前十字靭帯疾患と膝蓋骨内方脱臼併発例に対する治療 座長:本阿彌宗紀(東京大学)、藤田幸弘(麻布大学)
「レビュー」本阿彌宗紀(東京大学)
「関節外安定術の適用について」藤木 誠(鹿児島大学)
「脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)を用いた整復法」戸次辰郎(ネオベッツVRセンター)
「脛骨粗面前進化術(TTA)を用いた整復法」小川純也(小川犬猫病院)
リアルタイムディスカッション 8月22日(日)13:00〜16:00 ライブ配信
軟部組織外科
基調講演
教育講演
リフレッシャーコース
シンポジウム
下部消化管の腫瘍外科 座長:浅野和之(日本大学)、高木 哲(麻布大学)、金子泰之(宮崎大学)
「解剖学」市居 修(北海道大学)
「下部消化管の画像所見」福田祥子(どうぶつの総合病院)
「外科療法」藤田 淳(日本小動物医療センター、東京大学)
座談会 8月29日(日)9:00〜12:00 ライブ配信
パネルディスカッション
会陰ヘルニア、私のこだわり 座長:廉澤 剛(日本小動物医療センター)、中川貴之(東京大学)、 岩井聡美(北里大学)
伊東輝夫(青葉動物病院)
関 真美子(日本大学)
生川幹洋(三重動物医療センター)
リアルタイムディスカッション 8月29日(日)13:00〜16:00 ライブ配信
麻酔/疼痛管理
基調講演
教育講演
「周術期管理8 腎臓に異常をもつ動物の麻酔管理」田村 純(北海道大学)
「周術期輸液管理 -とくに腎臓に異常をもつ動物の場合」石塚友人(VES)
「上気道疾患-短頭種気道症候群」末松正弘(末松どうぶつ病院)
リフレッシャーコース
シンポジウム
麻酔モニタリング指針の改定と麻酔記録用紙の公開 座長:鎌田正利(東京大学)、 浅川 誠(どうぶつの総合病院)、手島健次(日本大学)
「麻酔モニタリング指針改定の背景とその内容」佐野忠士(酪農学園大学)
「麻酔記録用紙公開の背景とその使い方」神田鉄平(岡山理科大学)
「法律的な麻酔関連トラブル対策」鈴木智洋(後藤・鈴木法律事務所)
座談会 8月28日(土)09:00〜12:00 ライブ配信
パネルディスカッション
肺炎の診断と治療 座長:入江充洋(四国動物医療センター)、杉浦洋明(DVMsどうぶつ医療センター横浜)、石塚友人(VES)
「犬猫における肺炎の画像診断レントゲン vs CT」戸島篤史(日本小動物医療センター)
「犬猫における肺炎治療 内科治療と人工呼吸治療のエビデンスと実際」稲葉健一(犬と猫の呼吸器科)
ディスカッション ※ライブ当日(8月28日)に事前収録したディスカッションを配信いたします(質疑応答ライブなし)
受賞者講演
2019年度最優秀論文賞
2020年度優秀論文賞
2020年度 整形外科部門 優秀賞
2020年度 軟部組織外科部門 優秀賞
2020年度 麻酔疼痛管理部門 優秀賞
レジデントによる若手獣医師のためのBasicセミナー
レジデントフォーラム
一般演題
企業主催講演
東洋装具医療器具製作所
日本獣医内視鏡外科研究会
日本獣医内視鏡外科研究会プログラム
シンポジウム
副腎摘出の治療戦略 座長:宇根 智(ネオベッツVRセンター)、松村 靖(稲員犬猫香椎病院)、石垣久美子(日本大学)
「副腎摘出の適応疾患」金井詠一(麻布大学)
「副腎摘出の麻酔と周術期管理」藤本鉄兵(日本大学)
「内視鏡外科での副腎摘出」江原郁也(ルカ動物医療センター・動物内視鏡センター)
「開腹下での副腎摘出」浅野和之(日本大学)
総合討論
技術認定制度WEB講習会
本講習会の受講を希望される方は別途登録が必要になります。日本獣医内視鏡外科研究会のホームページをご覧ください。